GPA News Letter Vol.50

 

 


《動物編》

1)功徳で破壊進む生態系

タイの寺院では、小さな鳥カゴに入れられた小鳥がよく売られています。持ち帰るのではなく、買ったらすぐに放して徳を積むわけですが、この小鳥は逃がしてもまた帰ってくるそうで、再びカゴの中に入れられ、そしてまた放されるということを繰り返します。

さて、小鳥がぐるぐると堂々巡りをしている分には問題ないのですが、最近、水槽の掃除屋として熱帯魚ファンにはおなじみの魚であるコリドラスが大きな問題を引き起こしています。その姿がグロテスクなことから商人が勝手にプラー・ラーフー(夜叉魚)と名付け、それを川に放流すると厄払いになるといって寺で売り始めたのです。一匹5バーツ。月曜日生まれの人は15匹、水曜の夜に生まれた人は12匹などと、誕生日ごとに放流する魚の数が決まっています。金曜生まれの人は21匹放流せねばなりません。

コリドラスは適応力・繁殖力が非常に強く、あっという間に増えて生態系に大きな影響を与える恐れがあります。タイの漁業局は、狡猾な商人にだまされてこれらの魚を放流しないよう注意を呼びかけています。

2月27日には、パトゥムタニ県ラートルムケーオ郡の運河でワニのような魚が捕獲されて騒ぎになりました。この魚の正体はアメリカ原産のアリゲーターガー。観賞魚として輸入されたものが放流されたものとみられます。コリドラスの大型種であるプレコがタイ北部で繁殖を続けている話は前回も取り上げましたが、外来魚による生態系の破壊は、タイでも深刻な問題としてクローズアップされつつあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

2)短小パンダの憂鬱

2003年に中国からタイにやってきたパンダのカップル、チュアンチュアン(雄)とリンフイ(雌)。2頭を飼っているチェンマイ動物園の関係者はタイ初のパンダベビー誕生を切望し、盛りのつかないチュアンチュアンにポルノビデオを見せたり、人工授精を試みたりしたのですが、どうも子作りがうまくいきません。そこで中国の専門家に調べてもらったところ、チュアンチュアンの性器が標準よりかなり小さいことが明らかになりました。放っておいてくれというチュアンチュアンの声が聞こえてきそうですが放っておくわけにはいかず、このほど、性器マッサージが試されることになりました。人間の手によって、毎日性器を大きくするためのマッサージが施されるそうです。パンダ稼業もラクではありません。

3)一本キバのゾウが死亡

世界最長の一本キバを持ち、ギネスブックにも認定されていた雄ゾウの「プラーイエーク」が2月25日、チェンマイ動物園で死亡しました。享年79歳。「プラーイエーク」は以前、ラムパン県で運搬作業などを行っていましたが、50歳のときに引退し、雌ゾウのパンノーイとともにチェンマイ動物園にやってきて2頭の子供をもうけました。

4)幸運をもたらす猫

2月半ば、パトゥムタニ県に住むプラスートさん夫妻の自宅から、一匹の猫が姿を消してしまいました。「チョムジャン(お月見)」という風流な名前を持つこの猫は、なんと耳たぶを4つ持っています。夫妻はチョムジャンを拾ってきて飼い始めた一年前から、宝くじに当たったり、商売が順調にいくなどの幸運が続き、チョムジャンは今年初め、幸運をもたらす猫として新聞に大きく紹介されました。おそらくそれが仇になってしまったのでしょう。だれかに盗まれてしまったのです。こんなことならチョムジャンを紹介するんじゃなかったと、プラスートさん夫妻は悲しみに暮れています。日本では最近、かわいいペットの写真をネットで公開するのがはやっているようですが、タイではやらない方が無難かもしれません。

5)サルたちの受難

1月23日、バンコク都内バンポンパン地区にあるコンドミニアムの一室が警察の摘発を受け、世界最小のサルとして知られるピグミーマーモセット13匹が押収されました。保護動物に指定されているピグミーマーモセットは、輸出国の許可証があれば売買することができますが、部屋の住人であるソムキアット容疑者は、無許可で飼育していたとみられています。知人から1匹3万バーツで譲り受け、子が生まれると1匹2万〜3万バーツで売るつもりだったと供述しています。

南部チュムポン県のプルー山洞窟動物保護区の近くで3月6日、メガネオナガザルが電線に感電して重傷を負う事故がありました。発見した村人の通報で獣医が駆けつけたためサルは一命を取り留め、治療を受けるため保護センターに送られました。メガネオナガザルは地元のイメージキャラクターになっており、同保護区はその生息地域として知られていますが、隣接地に設置されている裸電線による接触事故が後を絶たず、これまでに60匹以上のメガネオナガザルが死亡しているということです。

 

 

《社会編》

6)毒入りケーキ

日本で毒入りギョーザ事件が大々的に報じられたとき、バンコクの某日系スーパーの冷凍食品売り場で「このコーナーの商品はすべてタイ製です」という表示を見かけました。はっきりと書いてはありませんでしたが、暗に「中国産ではありません」と言いたかったのでしょう。販売業者がタイ製食品の安全性に自信を持っているわけですから、それはそれで結構なことです。

 そんな折り、タイでも毒入りケーキ事件が大々的に報じられました。いじめを受けた女子高生がショートケーキに殺虫剤をふりかけ、それを食べた生徒約25人が嘔吐や下痢の症状を訴えたもので、一歩間違えば大量殺人につながりかねない事件でした。既に市場に出回ったものに毒物が混ぜられた犯罪ですから、メーカーの責任が問われるような事件ではありませんが、もしこれが中国で起きていたら、毒入りギョーザ事件と強引に関連づけられてセンセーショナルに報じられていたかもしれません。

 いずれにしろ、タイの食品産業関係者は、製造段階の事故でなかったことにほっと胸をなでおろしたことでしょう。

7)蝶のように舞え

サンヤー・プッタジャルンラープさん(37)が手にしている蝶のような物体はなんと凧。星形のものはワオ・ジュラーとよばれる雄凧、菱形のものはワオ・パックパオと呼ばれる雌凧で、いずれもタイの伝統なスポーツ、闘凧(お互いの凧を絡み合わせて相手の凧を自分の陣地に落とせば勝ちになる)で使われる凧だそうです。普通の凧はもちろんもっと大きいものですが、サンヤーさんの凧は雄凧で約7センチ、雌凧で5センチの極小サイズ。ただのミニチュアではなく実際に空に上げることができます。サンヤーさんはこのタイの伝統的なミニ凧を引っさげて、今年1月にインドのアーメダバードで開かれたインターナショナル・カイト・フェスティバルに出場、デザイン賞を受賞しました。

 凧師サンヤーさんの次なる目標はやはりタイのシンボルである王室御座船の凧を作ること。川に浮かぶ御座船を空に浮かべてみたいのだそうです。

8)ミニスカホステス

これもまた華麗なる空中戦の話。タイ航空の労働組合はこのほど、テレビ局のチャンネル5に対し、連続ドラマ「ソンクラーム・ナーンファー(天女の戦争)」の放映中止を求めました。スリットのはいったミニスカートをはいたスチュワーデスが、太ももあらわにイケメンパイロットの取り合いをするというストーリーがお気に召さなかったようで、慌てた局側は、スカートの丈を長めにするという妥協案を提示して謝罪し、なんとか放映を継続できることになりました。

9)笑う警官

路上での交通整理は非常にストレスのたまる仕事で、タイの交通警官の中には、精神的なトラブルを抱える人がかなりいるそうです。そんな警官たちのストレスを少しでもやわらげようと、バンコクの警察署で笑いの講習会が開かれました。顔で笑う、腹で笑う、頭で笑うなど、笑うためにはいくつかのテクニックがあり、それを警官たちに伝授しようというものです。警官がにこにこしていれば、街の雰囲気はぐっとよくなります。微笑みの街、バンコクにふさわしいにこやかなお巡りさんが増えてほしいものです。

10)愛の区役所

毎年2月14日のバレンタイデーになると、バンコクのバンラック区役所が新婚カップルでごった返します。「ラック」がタイ語で「愛」を意味するというただそれだけのことなのですが、タイ人はそのような縁起かつぎが大好きで、今年は671組のカップルが結婚届けを提出しました。その中でひときわ注目を浴びたのが退役軍人のノイ・トーチュンさん、76歳。連れてきた52歳の女性はなんと9人目の妻になるそうです。ここまで来ればもう結婚マニアで、10人目の妻をめとるのもそう遠い日のことではなさそうです。さて、バンラック区役所とは対照にもっとも人気のないのがバンパラット区役所。「パラット」がまさに「別れる」という意味を持つためです。もちろん中にはそんなことは気にしないクールなカップルもいて、バレンタイデーには27組がバンパラット区役所に結婚届けを提出しました。案外こちらを選んだカップルの方が夫婦として長続きするような気もします。

11)バンキング&コンドーム

ミスターコンドームことミーチャイ元保健相が経営するタイ料理レストラン「キャベッジ&コンドーム」は、食事にいくとお土産にコンドームをもらえることで有名ですが、タイの大手銀行、カシコン・バンクも昨年末から全国600の支店で同じサービスを開始しています。ペットボトル入りのドリンキングウォーター、おしぼり、コンドームを支店内のカウンターに置き、顧客が自由に持ち帰れるようにしてあるもので、コンドームは既に150万個が配られました。タイはエイズ対策が非常にオープンなことで知られており、日本がタイに学ぶべき点のひとつだと言えるでしょう。

 

12)ナンキンムシ大発生

国鉄の列車にナンキンムシが大発生し、乗客から苦情が相次いでいます。観光大国タイのイメージ低下につながりかねない事態に運輸相が不満を表明、1週間以内に駆除するよう指示を出しましたが、国鉄側は予算がないなどとやる気のない態度をみせ、運輸相との間に対立が深まりました。最近はタイでもダニアースを売り始めたようですから、国鉄にどんと寄付すればどうでしょう。とてもいい宣伝になると思うのですが。

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