《動物編》
1)功徳で破壊進む生態系
タイの寺院では、小さな鳥カゴに入れられた小鳥がよく売られています。持ち帰るのではなく、買ったらすぐに放して徳を積むわけですが、この小鳥は逃がしてもまた帰ってくるそうで、再びカゴの中に入れられ、そしてまた放されるということを繰り返します。
さて、小鳥がぐるぐると堂々巡りをしている分には問題ないのですが、最近、水槽の掃除屋として熱帯魚ファンにはおなじみの魚であるコリドラスが大きな問題を引き起こしています。その姿がグロテスクなことから商人が勝手にプラー・ラーフー(夜叉魚)と名付け、それを川に放流すると厄払いになるといって寺で売り始めたのです。一匹5バーツ。月曜日生まれの人は15匹、水曜の夜に生まれた人は12匹などと、誕生日ごとに放流する魚の数が決まっています。金曜生まれの人は21匹放流せねばなりません。
コリドラスは適応力・繁殖力が非常に強く、あっという間に増えて生態系に大きな影響を与える恐れがあります。タイの漁業局は、狡猾な商人にだまされてこれらの魚を放流しないよう注意を呼びかけています。
2月27日には、パトゥムタニ県ラートルムケーオ郡の運河でワニのような魚が捕獲されて騒ぎになりました。この魚の正体はアメリカ原産のアリゲーターガー。観賞魚として輸入されたものが放流されたものとみられます。コリドラスの大型種であるプレコがタイ北部で繁殖を続けている話は前回も取り上げましたが、外来魚による生態系の破壊は、タイでも深刻な問題としてクローズアップされつつあります。