by MK

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「誤解、曲解、ああ勘違い」

 

 あるタイ在住者のブログを見ると「タイでは最近、死んでちょうだ〜いと日本語で繰り返される歌が流行っている」と書いてあります。ブログ発信者は大真面目で傲慢な日本人に発せられたメッセージであると考察しています。

 本当は「死んでちょうだ〜い」ではなく「新芽ちょうだ〜い」という日本語フレーズです。日本風緑茶のCMで、芋虫親子が茶を摘む人に向かって「新芽ちょうだ〜い」と懇願するシーンが愛らしく、ヒットCMとなりました。芋虫キャラクターの縫いぐるみが販売されたほどです。そして、「新芽ちょうだ〜い」をパロッた歌謡曲まで登場し、テレビの歌謡番組で繰り返し流れています。

 ブログの間違いを笑い飛ばすことは簡単ですが、「死んでちょうだ〜い」と勘違いした方にとっては、タイという異国にいる自分という立場を強く意識する出来事なのだと思います。僕もいままで、いろんなことで誤解、曲解、勘違いをしてきましたから一笑に付すことができません。

 4月は、連日のように放火、襲撃、爆弾テロが続く南タイを取材しました。現場を歩くと誤解、曲解、勘違いを誘発させるような出来事でいっぱいです。分離独立を主張するモスリム過激派の犯行と一括りに報道されているのですが、個々のケースを調べていくと個人的な怨恨で起こった事件まで独立過激派の所為になっています。対テロ対策という大義名分で一般住民を巻き添えにしている某大国の戦略のようなことも起きています。モスリム住民と仏教徒の対立を煽って南タイ問題を増長させようとする黒幕の存在も伺えます。

 90年代初頭のカンボジアに繰り返し通ったのですが、襲撃事件があると必ずポルポト派の犯行という報道がされました。ところが事実関係を調べてみると失業兵士が強盗襲撃したケースがかなりありました。

 南タイ問題でも、かなりの情報操作が行われています。誤解、曲解、勘違いの報道をしないために、もっと歩いて、聞いて、見る取材をしなければと思っています。ところが、複数の在タイ日本人から南タイ問題を日本ではあまり報道して欲しくないという声を聞きました。ただでさえクーデターやバンコク爆弾騒ぎなど断片情報だけが日本に流れ、タイが戦場のような様相を呈していると誤解する人がいるのに、南タイ問題をセンセーショナルに紹介するとタイへ来る人がもっと減るからというのが理由です。実際に、GPAでもバンコクの爆弾騒ぎで撮影ロケのドタキャンが数件あったと聞きます。GPAから仕事をいただく僕としても、南タイ問題を取材することは自分で自分の首を絞めることに繋がるのかもしれません。だからこそ、センセーショナルな出来事だけに惑わされずに正確に取材したいと思うのですが、堂々巡りです。

 危険とか安全とかいうものは相対的なものです。こちらで流れる日本のニュースを見ていると、いつ通り魔に襲われるかしれないと思ってしまいます。拳銃もいっぱい出回っていて、白昼の長崎駅前でも市長が射殺される怖いところです。ストーカーがいっぱいいて相手にすれば、殺されたあげくに遺体を砂に埋められてしまいます。タイから見た日本は本当に怖いところです。

 あっ、今回はタイの魅力を書くはずでした。最近の報道でタイが危険なところであると誤解、曲解、勘違いされている人たちに、タイの魅力を喧伝して撮影ロケに来てもらおうというGPAの情報操作(!)に副って書くはずでした。でも絶対に安全かどうかというと、それは日本と同じように保証できません。

 タイの魅力?う〜ん、簡単には書けません。

魅力があるから、僕はタイに住んでいます。魅力がなければ、もうとっくに他所の国に移住しています。そしてタイの人たちが僕に「死んでちょうだ〜い」と囁いたりしたら、一目散に逃げています。

自分自身を含めてタイへの誤解、曲解、勘違いを少しでも解いてゆくこと、そのために現場を歩き続けることを身上に、タイにいましばらく住み続けたいと思っています。


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Vol.47の内容  

ゴラゴットのASIA News  タイ現地新聞より

スパイシータイランド  「誤解、曲解、ああ勘違い」  by MK

匠武士のタイで想う日々 「チェンマイの自然」

改定!「バンコク空港事情」by Michi

ラオス世界遺産の町『ルアンパバーン』 Teru

 

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