《恋は常識を超えて》

男と女のお話

   By Tamami Kawaura

VOL37
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本文とは関係ありません

  カナちゃん(27才)は、初めてのタイ旅行で恋をした。

タイに住む友人、レイさんが連れて行ってくれたパブで知り合ったヌンちゃん(23才)と…

 彫りの深い、よく日焼けした顔で、「サワディーカップ!」とヌンちゃんはカナちゃんに

微笑みかけた。

たったのそれだけで、カナちゃんはヌンちゃんにメロメロになってしまった・・・!

カナちゃんはレイさんを通じて、同パブのウェイターであるヌンちゃんに、クリスマスカード、カナちゃんの写真、プレゼントなどを送り、約1年後、ヌンちゃんに会う為に、再び、タイにやって来た。一方、ヌンちゃんは・・・と言えば、常に数人のガールフレンドと適当に距離をおいてつきあっているので、一応「特定の彼女なし」。カナちゃんについても、そういったガールフレンドの一人に過ぎない。しかし、わざわざ日本から自分の為にタイまで来てくれるカナちゃんに、ヌンちゃんのサービス精神は日頃の数倍のものとなり、この再会は、結婚願望の強いカナちゃんの「ヌンちゃんと結婚したい!」という気持ちに火を付けてしまった。

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その後、この2人の連絡役にされてしまったレイさんの所に、カナちゃんから相談の手紙が届いた。手紙には、カナちゃんのヌンちゃんへの一方的な思い込みと、勝手な結婚への夢が延々とつづられていた。レイさんは「まずい。」と思い、カナちゃんへ「旅行先で数回会っただけで、手をつないだだけの仲の男性といきなり結婚を考えるのは早まりすぎではないか。それに、結婚したら、日本語も英語もできないヌンちゃんは日本では働けないからカナちゃんがタイに住まないとならない。無理があると思うし、よく考えたほうが良いよ。」と、釘をさすつもりで手紙の返事を書いた。

しかし、それは逆効果にしかならなかった。そもそもカナちゃんは初めから、ヌンちゃんとの出会いを「運命の出会い」と決めつけてしまっている。周囲が何を言おうと、全て、彼女に都合よく解釈し、勝手に、一人で幸せの絶頂に立ってしまっている。・・・・カナちゃんはその日から、ハシカにでもかかったように、タイ語の勉強に熱をあげた。そして驚くべき事にたったの4ヶ月で、タイ語の基本的な読み書きを、しかも独学で、マスターしてしまったのである。

カナちゃんからヌンちゃんへラブレター攻撃が開始された。しかし、それは長くは続かなかった。何通目か手紙を受け取った後、ヌンちゃんも彼なりの想いをこめて、カナちゃんに返事を書いた。・・・・・・「大好きなカナちゃんへ。僕もカナちゃんに会いたいです。僕は、また、カナちゃんがタイに来てくれるのを楽しみに待っています。これからも、ずっと良いお友達でいてくださいね。」

ヌンちゃんの、とても常識的な一通の手紙によって、カナちゃんの常識をこえた長い一人芝居はピリオドを打った。

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