VOL.33
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 タイのその辺りで売っている新聞を開くと映画の紹介のページが必ず1ページはあります。今、上映している映画がズラリと並んでいるわけですが、ちょっと前までは、そのページを見ても外国の映画ばかりが並んでいて、タイの映画はあっても2つぐらいでした。しかし、1年前ぐらいから状況は変わってきました。去年の半ば頃からちょくちょくとお化けの映画(タイ人は基本的にお化けの映画が大好きです)、コメディーものが常にあるようになり、今年に入ってから、新しいタイ映画がどんどん出てきて、タイの映画界はちょっと景気がいいようです。今月では、新聞の映画欄の半分をしめる6つのタイ映画が上映されています。また、来月には3億円を上回る興行収入をあげたサトリーレック(日本名アタック・ナンバー・ハーフ)の第2弾が封切りされるため、ますます盛り上がってい ます。そんな中、今年の1月31日、ついに新しいアクションスター、パノム・ジーラムが映画「オンパーク」のスクリーンの上で誕生しました。今まで、タイの映画の主役は「顔がいい」ことが第一条件でした。他の国では、おもしろいとか芸があるという他の条件でも主役に選ばれますが、タイでは顔がいい、が第一条件で、芸がある、などということはその後からついてくるものでした。
しかし、このパノム・ジーラムはその常識を覆し武術の技術だけで主役に選ばれました。パノムは小さい頃から、武術が好きで、高校を出ると、タイの武芸俳優、パンナーに弟子入りしました。この映画、ワイヤー、スタントマン、CGを使わず生のアクションで、ジャッキーチェンよりすごい、とタイ人には評判で、今色々なメディアに取り上げられています。この映画を作ったプラチャヤー監督は、武術の指南書を研究し、これまでだれも武闘シーンで使ったことがない、またムエタイ界でも使われていない、タイ人特有の武術を映画に取り入れています。20年前からこの映画製作を考え、4年前から構想を練ってやっと完成した「オンバーク」は、上映開始からわずか2週間ほどで興行収入1億5000万円を突破し、外国からも版権を買いたい、とオファーが来ています。また、主演男優パノムは、この映画のためだけに7年間、武術の特訓をしてきました。トイレに入る時も逆立ちして入る等、どこかのカンフー映画のような特訓を続け、まだまだ、駄目だ!まだまだ、足りない、ということを繰り返して、やっと今年に陽の目を見ました。パノムはこの映画のためだけに、7年間も温存されていたのです。初出演、初主演、上映から3週間目にして1億バーツアクション俳優と呼ばれ、次の作品はタイではない場所での主演になるだろうといわれています。

 自分の国独自の国技「ムエタイ」を持つタイから、本格武闘派アクションスター「パノム」が誕生しました。この、「パノム」の今後の活躍に要チェックです。

                                     大串

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